分社化による5つの節税メリットとは?

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今日は【分社化による節税メリット】をご紹介します。

分社化とは事業を分割するなどして新たに別会社を作ることです。例えば、製造業と卸売業を兼業している場合、製造業をA社で、卸売業をB社で行うわけです。

このように分社化することは「節税面」で大きく5つのメリットをもたらします。


1.軽減税率を活用できる

資本金1億円以下の会社では所得金額800万円以下の部分については低い税率が適用されています。つまり、所得金額が低いほど「低い税率」が適用されているわけです。これにより分社化して利益を分散させることで、軽減税率の恩恵を受けることができます。

法人税①

極端な話、課税所得1,000万円の会社を2社に分社化すると「約29万円」の差が生れるわけです。

法人税②


2.消費税を節税できる

新会社に売上を分散させることで、消費税の節税が図られます。新設会社では資本金1千万円以下なら2年間は「消費税非課税」の恩典が受けられます。事業の売上全額が当面2年間は「非課税」になるわけです。設立2年経過後も前々年の売上が1千万以下であれば「非課税事業者」となります。今後、消費税は10%に上がりますので、そうなればますます節税効果が大きくなるでしょう。


3.2社から役員退職金を受け取れる

分社化すると「役員退職金」を2社から受け取ることができます。ご存知のとおり、「役員退職金」の支給には支払う「法人」にも、受け取る「本人」にも税制上の恩典があります。退職金を支払う法人側は「損金計上」でき、受け取る本人側は「退職所得」として低い税率で法人から個人に資金移転することが可能です。分社化して2社から「役員退職金」をもらえば、この税制上の恩典がダブルになるわけです。

【退職金税制】
● 退職所得控除 = 70万円 ×(勤続年数-20年)+ 800万円
● 1/2課税 =(退職にかかわる収入金額-退職所得)÷ 2
● 分離課税 = 他の所得と合算されない

ちなみに、分社化することで節税ツールの王道である【経営セーフティ共済】も2社に分けて加入することができます。【経営セーフティ共済】年間240万円まで掛金を全額損金計上できるうえ、40ヶ月以上加入していればその掛金も100%戻って来ます。民間生命保険と違って一定期間を過ぎると返戻金が減ることもありませんので、とても使い勝手の良い「節税ツール」です。2社で加入すれば年間480万円(1社あたり年間240万円)の課税繰り延べ効果がありますので、この辺りも分社化のメリットといえるでしょう。


4.交際費×2社分を経費化できる

現在、1社につき800万円までの交際費を費用計上(損金算入)することが認められています。しかし、分社化すれば交際費が1,600万円(800万円×2社)まで費用計上(損金算入)できるようになります。


5.「分社化」による持ち出し0円の節税方法

分社化による節税メリットはまだあります。この方法ではズバリ、法人設立時に現物出資するのです。そうすることで「持ち出し0円」の節税が可能になります。詳しく解説しましょう。

現行法では現物出資額が「500万円以下」ならその価値を証明するのに裁判所選任の検査役による調査は必要ない制度になっています。この制度により面倒な手続きなしで、手軽に現物出資による法人設立が可能です。現物出資すると現金がなくても資本金を大きくできることがあります。例えば、

現金100万円+現物200万円=資本金300万円

というパターンがそうです。しかし、現物出資の本当のメリットは「減価償却」を計上して節税を図れることにあります。というのも、現物出資した「現物」が会計上の「費用」として認められるからです。ここでのポイントは“現金を1円も使ってない”ということです。つまり、実際には支出のない費用を計上できるわけです。

これのどこがスゴイのか?
例えば、今の会社を分社化したとします。その会社の資本金は現金10万円、現物出資140万円、合計150万円とします。ここでは自動車に30万円、PCに10万円、ホームページに100万円とそれぞれ価格を付けて現物出資しました。そう聞いてまず、「ホームページなんて現物出資していいのか?」と思ったでしょう。答えは「YES」です。

ホームページも営業権も会社の資産として貸借対照表に載せられます。さらに、「無形固定資産」として減価償却が可能です。法人設立時に次のように定款に記載しておけば、会計上もソフトウェアとして5年間で減価償却できるのです。これは意外と知られてないことです。

 *****に関するホームページ(http://www.******.com/)
 ● 制作費としての価格:20万円
 ● 営業権としての価格:80万円
 ● 金100万円

ただし、本当は10万円しか価値がないものを100万円の価値があると言って現物出資すると、その差額分が出資者に譲渡税として課税されることがあります。なので、税務調査が入ったとしても、価格算定の根拠を説明できる価格付けに留めた方が良いでしょう。そこで、ここではホームページ上の1年分の売上を「営業権」として価格付けをすることにしました。ここから現物出資のメリットが発揮されます。この法人の決算書(1期目)には現物出資した自動車、PC、ホームページの減価償却費が計上されるのです。

その金額を「60万円」としておきましょう。実効税率21.42%(課税所得400万以下)でもこれだけで「12万円」の節税効果です。繰り返しますが、“現金を1円も使ってない”のに、です。(※現物出資は法人設立後も「増資」という方法でも実行できます)ちなみに、現物出資できるものには以下のようなものがあります。

法人税③

税法上、減価償却できる法定耐用年数はそれぞれの資産によって細かく規定されています。しかし、分社化して現物出資する際はたいてい「中古資産」でしょう。ならば、法定耐用年数切れでも「中古資産の耐用年数=償却期間2年」で減価償却費を計上できます。いずれにしても、現物出資はやり方次第で支出を伴わない費用をかなり計上できる節税方法です。分社化と併せて検討する余地は十分あるのではないでしょうか。

今回の記事があなたのお役に立てたら幸いです。
それでは今日はこの辺で

株式会社担当営業
田中正博


カテゴリー:節税対策

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