役員退職金に関するよくある誤解とは?

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退職金のことなんて考えていない…。

そういう経営者は多いものです。とりわけ、年齢が若ければ退職金と聞いてもピンと来ないでしょう。しかし、国は税制改正で個人課税を強化しようとしています。そのせいで「給与所得控額」は縮小して課税所得は増える一方です。

そんな中、未だ手つかずの税制上の“聖域”があります。それが、「退職所得控除」「1/2課税」の税制メリットを享受できる【退職所得】です。従って、今の「給与所得」の一部を【退職所得】に変えることで“手残りを大きく増やす”を効果を発揮します。

例えば、役員報酬の一部を、外部積立(生命保険など)で運用します。すると、【会社】にとっては積立金の全額あるいは一部が「経費」になり、【社長】にとっては積立期間中の税負担は「0円」、社会保険料負担も「0円」になります。こうして運用した外部積立を最終的に「退職金」として受け取れば「税」と「社会保険」の軽減分がそのまま“手取り増”となって返ってくるわけです。


「役員退職金」に関するよくある誤解

ここで、「役員退職金」に関する“よくある誤解”についてお話しておきましょう。それは、社長の役員退職金額は“退職金損金算入限度額まで”と解釈しているケースがあることです。これは間違いです。退職金は“社長が貰いたいだけもらえる”のです。ただ、退職金を「損金」にできる金額が税法上決まっているだけです。よって、「損金」云々が重要なのは利益体質の企業になります。(一般に利益体質企業は全体3割です)

役員退職金

さらに、「損金」云々の話は個人所得とは関係ない話です。税務当局に否認されるのは法人の所得金額の計算上、損金に算入された役員退職金額の一部に不相当に高額と認められる部分です。退職金の支給を否認されるものではありません。だから社長個人に対する【退職金税制】のメリットは残されたままです。

【退職金税制|勤続25年超の場合】
退職所得控除 = 70万円 ×(勤続年数-20年)+ 800万円
1/2課税 = (退職にかかわる収入金額-退職所得) ÷ 2
分離課税 = 他の所得と合算されない

これだけでも大きなメリットがあると分かるのではないでしょうか。

現実ベースで考えてみます。例えば退職金が3,000万円あったとします。税法上の計算では損金算入できない退職金額が1,000万円だとします。一方、累積赤字が500万円あったとします。この時点で差引500万円です。よって500万円が課税対象になるわけですが、その法人税額は100万円程度です。

つまり、何が言いたいのか?
社長が退職金3,000万円をもらうのにわずか100万円のコスト負担(会社)で済むということです。通常は社長が会社からもらえるキャッシュは役員報酬だけになります。だから退職金として積み立てしていないとすると、3,000万円を役員報酬で受け取ることになります。そうなれば、3,000万円の役員報酬に対して、所得税・住民税・社会保険料がかかってきます。

要は、「そのコストが100万円で済みますか?」という話です。

当然、そのコスト負担は100万円では済みません。ちなみに百歩譲って累積赤字がなくて1,000万円に課税されても法人税額350万円です。これでも役員報酬で受け取るより退職金で受け取った方がコスト負担は少ないはずです。ここに、報酬を後払いにして「退職金」として積み立てるメリットがあるわけです。

今回の記事があなたのお役に立てたら幸いです。
それでは今日はこの辺で

株式会社担当営業
田中正博


カテゴリー:節税対策
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