簿外資産を「仕組み」で貯める方法

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会社経営者なら誰しも「節税」について興味を持っているのではないでしょうか。

しかし、「節税」を目的にしてしまうと、会社にキャッシュが貯まらず、財務基盤を強固にできないという悩ましい側面もあります。

このことから、「税金を払わないと会社にキャッシュが貯まらない」とよく言われたりします。

しかし、実は、税金を払わずに、会社にキャッシュを貯める方法があったらどうでしょう?
そんなウマイ話があるなら聞いてみたいと思うのではないでしょうか。そこで、今日は【簿外資産を「仕組み」で貯める方法】をご紹介します。通常は会社にキャッシュを貯めるには“税引き後”の利益から内部留保することになります。しかし、この仕組みを使うと、“税引き前”の利益から会社にキャッシュを貯められるのです。

【A】 税金を引かれた“後”の利益を貯める
【B】 税金を引かれる“前”の利益を貯める

【A】と【B】ではどちらがより多くのキャッシュが貯められるかはお分かりでしょう。

なぜそんなことが可能なのか?
それは【B】で貯めるキャッシュは会社の「経費」にできるからです。「経費」で落としていますので、そのキャッシュは決算書上の貸借対照表には記載されないことになります。よって、「簿外資産」となるわけです。

では、その仕組みとは何なのか?
仕組みは2つあります。

1.経営セーフティ共済で貯める仕組み
2.生命保険で貯める仕組み


1.経営セーフティ共済で貯める仕組み

「経営セーフティ共済」とは「中小企業基盤整備機構」が運営する共済制度です。本来は取引先倒産などで債権回収が困難になったときに共済金の貸付を受けられる制度ですが、実は「節税ツール」としてもかなり優秀です。この制度には次のメリットがあるからです。

掛金の全額を損金にできる
1年分の掛金を一括納付できるため決算対策に使える
掛金月額は5千円~20万円までで自由に設定できる
40か月以上掛ければ解約返戻率100%以上になる

例えば、掛金上限20万円に加入すれば、年間240万円を経費で落として「簿外資産」を貯められるわけです。ただし、積立限度額が800万円で頭打ちになりますので、それ以上の「簿外資産」は貯められません。

そこで、民間の生命保険を活用することで、さらに「簿外資産」を貯めることが可能になります。


2.生命保険で貯める仕組み

「経営セーフティ共済」と同様に生命保険も多くの企業から「節税ツール」として活用されています。保険商品の中にも解約返戻率が100%以上になるものがあり、保険料を経費で落としながら「簿外資産」を貯められるからです。ただし、「経営セーフティ共済」と異なる点があります。それは、現行の保険商品では“保険料全額を経費にできる商品”の解約返戻率は75%程度であるということです。

とはいえ、“保険料の1/2を経費にできる商品”なら解約返戻率が100%以上になるものがあります。また、「経営セーフティ共済」とは違って保険料も高額に設定できますし、積立限度額の上限もありませんので、その点で生命保険に加入メリットがあります。他にも生命保険には次のメリットがあります。

高額保険料を年払いできるため決算対策に使える
事業保障資金・死亡退職金にできる(保障機能)
緊急予備資金・生存退職金にできる(積立機能)
無担保・無審査で融資が受けられる(貸付機能)

以上のように「簿外資産」を貯める2つの仕組みには他の「節税ツール」にはない“固有メリット”があります。やはりコストパフォーマンスの点では「経営セーフティ共済」に軍配が上がりますので、まずは「経営セーフティ共済」に加入し、それで不足するような「生命保険」の加入を検討するのがセオリーです。

画像①

もちろん、「簿外資産」を貯める2つの仕組みにはデメリットもあります。それはいずれも解約すると解約返戻金が「益金」になるので、そこに課税が発生するということです。このことを評して、「課税を繰り延べているに過ぎない!」と否定的な見解を持つ経営者や税理士もいたりします。

そこで、課税を繰り延べる意味について考えてみたいと思います。


課税の繰り延べは本当に会社にとって意味がないのか?

たしかに、ここでご紹介した「経営セーフティ共済」も「生命保険」も解約すると、それまで経費化していた部分に課税されます。その意味では課税を繰り延べているだけといえます。しかし、重要なのは課税繰り延べによって“一時的にでも節税できたことに価値がある”ということです。

考えてみてください。課税を繰り延べることができれば、仮に最終的な税額は同じでも現時点では少なくとも手元にキャッシュが残ります。そうやって手元に残ったキャッシュは来年、再来年も同じ価値でしょうか。違います。今ある500万円と5年後、10年後の500万円は同じ価値ではありません。なぜなら今ある500万円を使えば、5年後、10年後にはもっと増やすことができるからです。(でないと事業をする意味がありませんよね?)

例えば、生命保険の加入によってトータルで500万円の課税繰り延べ効果があったとしましょう。そうなればたいていの会社では確実に500万円以上の価値を生み出せるはずです。その500万円を事業に再投資して売上を伸ばすこともできるでしょう。500万円を頭金に収益不動産を購入して家賃収入を得ることもできるでしょう。借入金があるならその500万円で繰り上げ返済してキャッシュフローを改善させることもできます。

オマケとして保険に加入すれば「保障機能」も付いてきます。これらを5年後、10年後にやっても、すでにその間の機会損失をしています。さらに、課税を繰り延べることで、実は税額そのものが減ることもあるのです。

具体例を挙げましょう。以下の【ケースA】も【ケースB】も第1期と第2期の課税所得合計は「1,200万円」です。【ケースA】の税額は「約290万円」です。しかし、【ケースB】のように第1期の課税所得400万円を繰り延べると税額は「約264万円」になるのです。この計算のもとになる法人税実効税率は以下のとおりです。

画像②

【ケースA】
(第1期)課税所得1,000万円 → 税金約247万円
(第2期)課税所得200万円 → 税金約43万円
(第1期+第2期)課税所得1,200万円 → 税金約290万円 …①

【ケースB】
(第1期)課税所得600万円 → 税金約132万円
(第2期)課税所得600万円 → 税金 約132万円
(第1期+第2期)課税所得1,200万円 → 税金 約264万円 …②

つまり、課税を繰り延べたことで①-②=「約26万円」の差が生れるわけです。このように所得金額は同じでも適用税率の差異を利用すれば税額そのものを減らすことが可能となるケースがあるのです。また、現在は国の政策として「個人課税」を強化する一方で、「法人実効税率」は20%台を目標にすると言われています。実際にそうなったら、課税繰り延べによる節税効果はますます大きくなるでしょう。

以上のことを踏まえて、簿外資産を「仕組み」で貯める方法についてぜひ検討してみてください。

今回の記事があなたのお役に立てたら幸いです。
それでは今日はこの辺で

株式会社担当営業
田中正博


カテゴリー:節税対策
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